Cell/B.E.向けフレームワークCellSsのタスク自動切り出しによる改良

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今井 満寿巳, 津邑 公暁, 松尾 啓志 : "Cell/B.E.向けフレームワークCellSsのタスク自動切り出しによる改良", 信学技報 (SWoPP2011) ,pp43--48 (Jul. 2011) 予稿

Abstract

マルチコアプロセッサの一つであるCell/B.E.は,高い処理性能を持つが,それを引き出すためにはアーキテクチャ構成を意識したプログラミングが必要であり,プログラマの負担が大きい.その負担を軽減するため,Cell/B.E.向けのプログラム開発環境が検討されている.Cell/B.E.向けフレームワークCellSsは逐次プログラムを複数のSPEで並列実行されるプログラムに変換する.しかし,SPEで実行されるタスクはpragmaを用いてプログラマが指定する必要があり,タスクが並列実行されることを意識したプログラミングが必要である.そこで,逐次プログラムから並列性を持つ箇所を抽出し,自動的にタスクに変換する手法を提案する.また,リダクション演算を自動的に生成することで,より多くのプログラムを並列プログラムに変換可能にする手法を提案する.提案手法により,プログラマがタスクを指定すること無しに,逐次プログラムを並列プログラムに変換することを可能にした.また,リダクション演算を自動生成することで,プログラムを書き換えること無く,最大で5.5倍の速度向上を達成した.