命令区間の特徴を用いた自動メモ化プロセッサの再利用率向上手法

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山田 龍寬, 小田 遼亮, 池谷 友基, 津邑 公暁, 松尾 啓志, 中島 康彦 : "命令区間の特徴を用いた自動メモ化プロセッサの再利用率向上手法", 情処研報 (SWoPP2011) ,pp1--7 (Jul. 2011) 予稿

Abstract

我々は,計算再利用技術に基づく自動メモ化プロセッサ,および,これに値予測に基づく投機マルチスレッド実行を組合わせた並列事前実行を提案している.自動メモ化プロセッサは関数とループを再利用対象区間としているが,命令区間によってその実行回数や再利用回数,登録に要するエントリ数はさまざまである.本稿では,命令区間毎の特徴から再利用が成功するかを予測し,無益なエントリセットの登録を抑制する手法と,命令区間毎の登録量の違いを考慮して,1つの区間のエントリが表を占有しないように,使用エントリ数に上限を設定する手法を提案する.SPEC CPU95 を用いてシミュレーションにより評価した結果,従来モデルでは最大40.5%,平均9.6%であったサイクル削減率が,前者では最大41.6%,平均13.7%,後者では最大41.8%,平均11.9%まで向上することを確認した.